プロセスデータ品質検証 Process Data Validation |
背景
これまでプラントからのプロセスデータは運転管理を中心に利用されてきました。近年、生産現場情報化の進展に伴い、運転部門から発信するデータの利用先と重要性は拡大し、戦略的操業管理やコンプライアンス対応にも積極的に活用する動きがでてきています。
この動きに伴い、操業管理のさまざまな領域でプロセスデータ品質向上の要求が高まっています。
- 操業に関する戦略KPIの信頼性を向上させるためのプロセスデータ精度
- 総合エネルギー管理システムにより継続的改善を可能にするプロセスデータ精度
- J-SOX法で要求されるプラント操業実績データの信頼性
- 安全・環境に関する法令遵守と事業者としての説明責任
- 温暖化ガス排出に対する課税の動き
しかし、プロセスの稼働状況からデータ伝達のメカニズムを理解したうえで、操業管理のニーズを満足するプロセスデータの品質を確保することは広範囲かつ深いエンジニアリング知識が要求されることもあり、多くの企業においてプロセスデータの品質や信頼性は十分に検証されていないのが現状です。
弊社で実施したデータ品質検証の結果、データ品質に影響を与える要因として、以下のような項目が挙げられます。
- プラントの運転条件が建設時の設計条件と大きくかけ離れている。
- センサ固有の誤差が存在する。キャリブレーションや補正に問題がある。また、センサ設置位置が適正でない。
- データオーナーが不明確で、データ品質を検証し確定する仕組みがない。
- センサ、DCSから生産実績システムまでのデータ伝達要素の運用管理や設計変更管理に問題がある。
データ品質の問題は従来から実施している個々の業務に対してそれほど大きな影響を及ぼしません。
しかし、今後、プロセスデータを活用し戦略的操業管理やコンプライアンス対応を進めるうえで、データ品質を適正に管理し、信頼性を維持することは、操業管理において極めて重要な課題になると言えます。
プロセスデータの伝達経路の一例 |
提供サービス
高い品質のプロセスデータを得るためには、現状のデータ品質を検証し、問題点・課題を解決するとともに、データ品質の管理方法を確立することが重要です。弊社では、プロセス、制御・情報システムをニーズ、ライフサイクル、継続的改善などの総合的な観点から捉え、以下のステップでプロセスデータ品質を検証します。
- データ品質検証プロジェクトチームの設置
- データ品質検証方針の策定
- 現地調査をとおして、プロセス、センサ〜情報システムまでデータ伝達経路の仕組みとデータ品質の調査
- データ品質の問題点・課題の洗い出しと解決策の提案
- システム運用管理や設計変更管理などデータ品質管理方法の提案
- データ品質検証レポートの提出
おもな効果
- プラントデータ健全性の確立
- 正確な操業状況の把握
- 装置効率向上
- コンプライアンスの徹底
- 正確な投資判断
- データ品質管理業務の効率化
サービス提供事例
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